キリロム工科大学のポリシーは全ての学生が入学後は同じであるということです。カンボジア人と日本人の学食も基本は同じです。日本人学生は一人当たりGDPが日本の25分の1という貧しい発展途上国であるカンボジアで発展途上国を学びに来ているのです。
そんな中で、学食に関する改善活動が、日本人・カンボジア人双方からのフィードバックに基づいてスタートしました。具体的には、1. クメール料理の味とメニューの改善 2. 洋食レストランのスタート 3. 学食における衛生基準の改善 です。
1. クメール料理の味とメニューの改善については、新しい副料理長を採用しました。また、これまで学食とリゾートレストランは組織上分離しておりましたが、これを一体化することでリゾートの事業責任者直下の監督対象にすると同時に、利用者(学生)からの満足度調査を常時行い、それをスタッフの評価に反映されるというインセンティブスキームも導入しております。
2. クメール料理が口に合わない日本人学生の声に応える形で洋食レストランを2019年にスタートしました。洋食レストランをスタートする前に、クメール料理をビュフェスタイルをやめて食材のクオリティーを上げるという議論がなされましたが、カンボジア人学生の反対でビュフェスタイルを止めることはできませんでした。インド料理も以前からあります。希望すればインド料理を食べられます。学生と職員で提供されるメニューが異なるということがブログでは指摘されておりますが、そのような事実は一切ありません。
3. 食品管理基準を底上げするため、キッチンへの冷蔵庫導入、汚水の配管工事、清掃頻度の向上などが昨年度に行われています。ブログで取り上げられていた写真や指摘は、この取組前のものであったり、学食以外でうつされた写真を意図的に学食の課題と紐づけたものであり、現時点でブログで指摘されているような衛生課題はありません。
この洋食レストラン提供後も一部の日本人学生の不満は治りませんでした。彼らは日本の食事と同じレベルを求めているのかもしれません。我々が昨年の10月から取得している満足度調査の結果は下記の通りです我々は学食に関しては現在の予算の中ではベストを尽くしていると考えています。
学食のモリンガの満足度調査を昨年の11月からスタートしています。3ヶ月経過してクオリティーが上がってきたことが理解してもらえると思います。
このHappiness Scoreの計算方法ですが、
%Happy – %Mad = Happiness Score
になっていて例えば10人が投票した時に
6人がHappy, 3人がOK、1人がMadだとしたら
60%-10% = 50%
になる計算です。
学食がどうしても口に合わない学生は、Pine View Kitchen(略称:PVK)という観光客向けのレストランを利用することができます。このレストランを学生が利用する場合は食べ物は30%OFF、飲み物は20%OFFの特別料金が適用されます。PVKで1食 10USDだとした時に仮に平均して25%OFFだと7.5USDです。毎食PVKで1年間食べ続けたとすると (10-7.5USD)*3回*365日=2,737.5USDをセーブすることができたことになります。
2020年の春学期からは食事+洗濯+シャトルバスの利用料をvKPointという形でポイント化してPine View Kitchenなどで使えるようにしようとしています。このシステムはキリロム工科大学の学生が開発中です。
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